夏と野球が終わった日
地方予選、全試合終了。
甲子園出場を決めたチーム及び関係者のみなさん、おめでとうございます。
ベンチ入りを果たせなかった時点で、息子の夏は実質終わっていたのだけど。
息子の高校は予選敗退。
甲子園出場は叶わなかった。
(準優勝校というわけではないです。念のため)
私は、球児の母としてはダメ母なので、球場には一度も応援に行かなかった。
息子が出ていないのに、平日に仕事の休みを調整してまで観戦する気には、どうしてもなれなかった。酷暑だし。
ただ、最後になった試合の終了後は、学校に戻ってきてから記念写真の撮影があるとのことだったので、そこだけは行ってきた。
息子が私の顔を見るなり「11年間ありがとう」と言った。
大人になったね。もうこのまま辞めちゃうかな…って出来事もあったけど。
好きなことに対しては、まっすぐひたむきで。コツコツとした努力を、繰り返し積み重ねることを厭わない。
それは、間違いなく君の才能だ。
誇りに思うよ。
私も夫も文化系人間なのに、何故か息子は野球にハマり。
とうとうここまで、高校野球まで来てしまった。高校球児の母は、予想してたよりも遥かにしんどくて、私は体調も崩した。
もう泥汚れの下洗いをしなくていい。
もう高い泥専用洗剤を買わなくていい。
もう夏にタッパー氷や棒氷を作らなくていい。
もう冬に具だくさんの汁物をスープジャーで持たせ、ジャーを洗わなくていい。
もう1リットル、1.5リットル、2リットルの水筒やジャグを気温に応じて使い、洗わなくていい。
もう米を1ヶ月に25kg買わなくていい。
スラパン、バッティンググローブ、守備手袋、ソックス、スパイク、トレーニングシューズ…次々と穴が開く消耗品を、もう買い換えなくていい。
もう練習着ユニフォームパンツの尻や膝を縫わなくていい。
もう補食のパンやプロテインバーのストックを気にしなくていい。
もう朝4時に起きなくていい。
もう「明日何時集合?」って気にしなくていい。
もう夏に「熱中症大丈夫かな…」と心配しなくていい。
もうあらゆる怪我の心配とケアをしなくていい。
もう遠征の時の交通費をSuicaにチャージする用の千円札を常備しておかなくていい。
もう「また何か失くしたり盗まれたりしてないか」と心配しなくていい。
もう保護者のお付き合いしなくていい。
もう何のお手伝いも係もしなくていい。
正直、今は解放感が一周回って虚脱感さえ覚える状態だ。もともと体育会系のノリが合わない私にとっては本当に辛い日々だった。
でも。
私が一人で生きていたなら、絶対に見られなかったであろう景色を、君は本当にたくさん見せてくれた。
いつだって心の底から楽しそうで、そんな君を応援するのは楽しかった。
ありがとう。
お疲れ様でした。
この記録もここまで。
さらば、野球母!!
なお、人生は続く。